かつて俺は自分を依存症にした犯人を憎んだことがあった。スマホ、ギャンブル、アルコール、ポルノなど、そうしたものがこの世になければ自分は依存症にならなかった。
こんなものがあるから俺は依存症になったのだ。依存症を生み出すようなコンテンツには作り手のビジネス戦略が多分に含まれている。
どうすれば人を飽きさせず、ハマらせることができるか。
そうしたことを作り手は考えている。
しかし、依存症の対象は、この世で生きにくい自分が逃避するためのシェルターでもあった。社会不適応を起こした自分が、それでもこの社会で生きていこうとするための必死の抵抗だったのかもしれない。もしくは、自分が向き合わなければならない問題から目をそらすための自己欺瞞だった面もある。
ともあれ、依存対象によって、俺は生き残ることができた。
問題はその対象への依存がずっと続いたことだった。
人生の一時期ぐらい、なにかにどっぷり依存してもいいと思う。長い人生、くそ真面目に生きていては息が詰まるからね。
でも俺にはポルノはもう必要ない気がする。
いや、もう飽きるほど世話になった。
だからこれで卒業する。
つーか、最近仕事の残業続きで性欲ないなぁ。